セルシス「QUMARION」のレビュー

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(株)セルシスの人型モーションキャプチャーデバイス「QUMARION」の先行プレビューに選ばれましたので、3dsMax用のモーションキャプチャープラグインのレビューを行います。

先行プレビューには「CLIP STUDIO ACTION」という専用のキャプチャーソフトが付属していますが、ユーザーがそう多くないと思われる3dsMax用プラグインに焦点を当ててレビューを行います。プレビュー版にはこのほかにMaya用のプラグインも付属しています。

環境はWindows7-64bit+Autodesk 3dsMax2012日本語版と、プラグインは「QumarionPlugin_20120615_Max修正版」と使用してテストをしました。

取説によると、このプラグインは、QUMARIONのポーズをMaxのプラグインであるbipedやCAT、および標準ボーンなどの動きにアサインしキーフレームアニメーションを作成出来るとされています。

 

■インストール

まず付属のCDからプラグインをインストール。その後、USBケーブルでQUMARIONとPCを接続しMaxを起動します。

fig01.QUMARION Motion Captureパネル

ユーティリティーパネルの「その他」の中から「QUMARION Motion Capture」を選択すると上記パネルが出てきます。

 

■初期設定

まず何もないシーンにbipedを一体作っておきます。コンパネからBone Settingを選ぶと下記のパネルが出てきます。ここでQUMARIONにbipedをアサインします。

fig02.Bone Setting画面

アサインは1.背骨~頭、2.左腕、3.右腕、4.左足、5.右足というボーンの各チェインを選択するシンプルな制御です。

髪の毛などの制御用に頭のボーンにさらに子が付いているモデルなどはうまくチェインを判別できないようで、髪の毛を頭として認識してしまいます。

シンプルで設定しやすいのですが、既存の複雑なモデルに適用するのは難しそうなので、標準のbipedに近い構造にしたもので一旦モーキャプを行い、bipedやBVHなどのモーションデーターで書き出した後、再度目的のモデルにインポートする方が簡単です。

 

「姿勢合わせ」というで腕の開きの初期状態を調節出来ます。

fig03.姿勢合わせ画面

プレビュー版ということで、姿勢合わせの際のボーン表示にバグがあるようですが、これは製品版では修正されるとのことでした。

BipedやCATは標準状態で腕を閉じているので、初期設定はこちらに合わせた方が良いのではないかと感じました。

標準ボーンマッピングを指定するウィンドウのビューポートのマウスでの移動方法がmaxと違うのでやりにくいと感じました。

極端にサイズが大きなbipedなどがある場合にボーンマッピングの指定が難しいです。

 

■ボーンマッピング後の動作

fig04.左はアサイン後、右はbipedの初期状態

QUMARIONの直立状態+Bipedの初期状態でマッピングを行うと、鎖骨の角度が異常に上がってしまうのと腕全体が後ろにずれてしまうので、マッピングする前にBipedの初期状態をオフセットすることで対応しました。

fig05.ボーンをオフセットさせた状態

QUMARIONの関節角度が画面内での角度と一致していないと感じる部分がありましたが、これは製品版では改善される予定とのこと。

 

これで初期設定は完了です。

 

■モーションのキャプチャ

マッピングが終了するとコントロールパネルのCaputre Startがアクティブになるのでこれを押すとリアルタイムでQUMARIONのポーズがbipedに反映されます。

反応速度はまったく問題ありません、快適です。

加速度センサーによって傾きが反映されてしまうので本体の固定は必須のようです。

プレビュー版には付属していませんが、固定用スタンドは必須に感じました。

また四肢を動かす際に必ず本体全体の重心が移動してしまうのと、足の間接が弱く、かがんだ状態を維持できないので、写真のように空中での固定が理想的に感じました。(写真はマイク用のスタンドで固定しています。動作させずらかったので腰回りのパーツを外しています。)

fig06.QUMARIONの固定

 

fig07.ポージング

QUMARIONには加速度センサーが付いており、自機の傾きを検出出来ますが、部分的なキャプチャーの際はこれが邪魔になることの方が多いので、CLIP STUDIO ACTIONと同じようにソフト側での加速度センサーをオフにする機能も是非欲しいところです。(加速度センサーのOn/OFFは製品版では機能するとのことでした。)

 

■キーフレームアニメーション

この状態でキャラクターにアニメーションを付けてゆきます。

当初、各関節のリアルタイムの動きをキャプチャーできればキャラクターアニメーションにかなり便利だなと思っていたのですが、どうやらそうではなく、スチルカメラのように任意のポーズで各フレームごとにポージングし、それをフレームごとに登録してゆくという方法でした。ちょうどクレイアニメのような感覚です。

ここまで完成度の高い入力デバイスなのでリアルタイムでのキャプチャーに是非対応してほしいと感じました。

動作環境やPCのスペックにもよると思いますが、画面表示ではほぼリアルタイムに動きをキャプチャーしているようなので今後のソフトウェアアップデートに期待します。

また欲を言えば、0.5倍速などの遅めレートでキャプチャーできるとかなり良い感じだと思います。

 

キーフレームの作成の手順としては、QUMARION側のCapture Startをオンにした状態で、タイムスライダを動かしながらbipedにどんどんキーを打ってゆく感じです。

アニメーションのタイミングはあとで調整すると割り切って、各動作の最大点になるポーズをキャプチャしてゆきます。

また手だけ、とか足だけのように部分的にキャプチャーしたい場合は、その部位のボーンのみを選択した状態でキーを打つことで、他の部分に影響をあたえずに取り込めます。

 

fig08.ポーズを変えながらキーフレームを打ち込む

人間の関節の可能範囲はほぼ網羅しているので出来ない動きはほとんど無いように感じます。

おおよそのポーズは1分もかからず出来上がるので、手動で整えてゆくよりかなり早いです。ダンスのような大きな動きがあるものには非常に有効だと思いました。

ただ当たり前ですが、両手を合わせたり、手を体に這わせたりといった微妙な動作には向きません。

大きな動きをQUMARIONで取り込み、それを手動で加工してゆくというのが製作における王道だと感じました。

 

■まとめ

今回先行プレビューということでこのQUMARIONを使用させていただき大変良い機会をいただけたと思います。

CLIP STUDIO ACTIONの方もさわってみましたが、基本は同じで、足の自動接地、加速度センサーのみのオフなどの便利な機能がありました。

キーフレームの編集のしやすさ、視点の移動などは、私自身が慣れているせいかMax上での作業の方が数段楽でした。

現在自分の作品でキャラクターアニメーションを製作中ですが、QUMARIONを使用してポーズを取らせてみたいと思っています。

 

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